2011年06月26日

Sculptris(Alpha6)基本

SculptrisBasic.jpg 確かめたわけではないが、日本の美術大学でZBrushを本格的に導入し、授業でも教えているのは神戸芸術工科大学CGコースだけではなかろうか?もちろん、私も使用しているし、もう一人の教員である吉田先生はバリバリの使い手であるからだ。大学には数十本のライセンスを導入しているので、学生があぶれる心配もない。が、自宅でも練習したいという人もいるだろう。ZBrushの30日体験版もある。が、今日紹介するScluptrisは、Alphaバージョンであるがゆえに無償(今後どうなるかはわからないが)であり、スカルプト系のモデリングを学ぶにはシンプルかつ必要十分な機能を持っている。そして、Sclptris最大の特徴であるダイナミックサブディビジョンサーフェイス(たぶん。以下、DSSとする?)という機能は、ZBrushの欠点を補う。将来的には、ZBrushに組み込まれる可能性もあるようにも思うが、とにかく現状では、これをダウンロードし、練習することを推奨したい。http://www.zbrushcentral.com/showthread.php?t=143386

Step01:これが、スタートアップ画面。いきなり、球体登場でたじろぐかもしれないが、すべてはここから始まり加工する。というのが基本。だが、.objのインポート機能などもあるので、他のソフトと併用すれば何の問題もない。

左上の9つのツールボタンをまず覚えよう。順次説明するが、はじめからショートカットで覚えよう。
下記キーが、そのままボタンに対応している。

keys.jpg

SculptrisBasic_02.jpg
Step2:スペースバーを叩くと、カーソルの右上の位置にパラメーターが現れる。
パラメーターはSize=ブラシサイズStrength=効きの強さDetail=細分化の程度
Brush mask=Brushにテクスチャーを適用することを可能にする。
パラメーターを開いたまま、カーソルの上下ドラッグでSizeを変更し、左右ドラッグでStrengthを変更できる。実は、カーソルの位置とは関係がない。Detailだけは、パラメータ付近で上下ドラッグすることで値を変更できる。
もちろん、画面上部のパラーメーターでも同じことができるが、カーソルの移動量が多くなるので効率的とはいえない。

SculptrisBasic_03.jpg
Step3:Eキーを叩くと「CREASE」。アイコンは双葉を表現しているわけではなく、図のように彫りこむという意味。単純に使うと、表面にしわを描いたりするのに役立つ。キーを叩くと効果は逆転し、つまみ上げたりする。また、Altキーを押すと押している間だけ効果が逆転する。これは、ZBrush同様である。キーでワイヤーフレームが表示されるので、ぜひ、その状態でDetailの値やSizeの値を換えながら、描画して欲しい。DSSの意味が良くわかるだろう。描画の仕方によって、必要なポリゴンを増殖させているのを見ることができる。

SculptrisBasic_04.jpg

SculptrisBasic_05.jpg
Step4Rキーで、「ROTATE」モード。回転である。カーソルを回転させたい中心位置にあて、円に接するまでドラッグして、回転開始角度を決める。次にドラッグするとSizeに応じた範囲が回転する。ROTATEモードでもう一度Rキーを叩くと、Globalにチェックがつく。この状態では、オブジェクト全体を任意の位置で回転させることができる。どんなモードであってもオブジェクトを回転させることができるが、それとは異なる動きである。(言葉ではすごく長くなるので、実際には、ここでの解説をヒントに実際にやってみて欲しい。嘘ではないが、ちゃんと説明できてはいない。)

SculptrisBasic_06.jpg

SculptrisBasic_07.jpg
Step5:Tキーを叩くと「SCALE」モード。ドラッグにより拡大縮小できる。このモードでキーを叩くとGlobalのOn/Offが切り替わる。Detailをあげると分割しながら拡大するので滑らかに変化するが、切るとそのままのポリゴンで大きくなるだけ。

SculptrisBasic_08.jpg
Step6:Dキーで「DRAW」モード。Clay[D]とSoft[S]のオプションがあり、ZBrushで言うところのClay、Standerd、Layerのような変化をする。

SculptrisBasic_09.jpg
Step7:Fキーで「FLATTEN」モード。表面をなでていると平らになってゆく。Angle falloff [S] と Lock plane [F] のオプションがある。Lock planeは、描き始めの表面が持つ方向を維持し、そのまま描き続ければ、新たなポリゴンを増殖させながら、平らな面を構成する。Angle falloffについては、しばらく試してみたが、今のところ意味が理解できていない。

SculptrisBasic_11.jpg

SculptrisBasic_12.jpg
Step8:Gキー「GRAB」モード。Global [G] は、オブジェクト全体の位置を移動する。Limit [S]オプションは、Detailをあげてポリゴンを引っ張り出しても、ある限度以上には分割はしないというものである。上の図は、単にDetailの値を上げた場合とそうでない場合を上下のこぶで比較している。下の図は、Limitをかけない状態で、ポリゴンをにょきにょきと引っ張り出した結果である。ZBrushであれば確実に解像度が破綻し、ポリゴンが荒れてしまうところだが、Sculptrisであればご覧のとおり。確かめたわけではないが、限界はあるはずだ。が、かなりの自由度を誇ることは確認できる。自由度が高いからといって、何も考えないでモノを作ろうというのは単なる馬鹿でしかないが、考えた結果を超えたインスピレーションを得たときに対応できる柔軟性はありがたい。有効に使いたいものだ。

SculptrisBasic_13.jpg

SculptrisBasic_14.jpg
Step9:「INFLATE」モード。キーである。ZBrushの同名ブラシと同じような効果である。やはり、Detailの設定によって結果が異なる。

SculptrisBasic_15.jpg

SculptrisBasic_16.jpg
Step10:(図は違ってしまっているが)Vキーを叩くと「PINCH」モード。周囲のポリゴンを集約する。ずっとなでているとエッジが立ってくる。下の図は、FLATTENを併用してハードエッジを構築した。

SculptrisBasic_17.jpg
Step11:Bキーで「SMOOTH」モードに入る。単純に撫でているととろけて表面がスムースになる。これらが基本の9つのツールである。まずはこの9つのツールの性格を把握することに努めるべきだろう。

SculptrisBasic_18.jpg
Step12:Mキーを叩くと「MASK」モード。他のモードではオレンジ色だったカーソルがグリーンに変わる。後は、表面にマスクを描いてゆく。キャンバス(オブジェクト以外のバックグランド)をCtrlキーを押しながらクリックするとマスクが反転する。図はマスクを描き、その周囲に変化を与えた状態である。

SculptrisBasic_19.jpg

SculptrisBasic_20.jpg
Step13:Yキーで「REDUCE BRUSH」モードに入る。Sculptrisは、描画時の設定によってポリゴンを増殖させながら彫刻をする。が、ポリゴンの分割状況を常に意識しながら作業をするのは難しい。そうすると、無意識に不要なポリゴンの分割をしてしまう場合がある。このREDUCE BRUSHは、表面を変化させることなくポリゴン数を削減(Altキーを併用すれば分割)することができる。ときどきキーでワイヤーフレームを表示して、無用に密度の高い箇所を整理すると良いだろう。図は、眼の中の分割を削減する前と後とを比較している。

SculptrisBasic_21.jpg
Step14:「REDUCE BRUSH」ボタンの右側の2つのボタンはショートカットが割りあたっていない。ボタンを直接クリックする。「REDUCE SELECTED」は、マスクで選んだ領域をポリゴンリダクションする。そのとなりの「SUBDIVIDE ALL」は、マスクの状況などにかかわりなく全体の分割する。おそらく、ローポリのオブジェクトを読み込んだ際などに有効なのだろう。その下の「SYMMETRY」ボタンは、左右対称モデリングを維持するか否かをスイッチする。

とりあえず、このあたりの知識を持っていれば、あとは試行錯誤でモデリングすることが可能になると思います。
ぜひ、試してみてください。




posted by hrys at 11:48| Sculptrisチュートリアル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月27日

ZBrushからのインポートテスト

Dragon01.jpg

Dragon00.jpg
ZBrushのZSphereで制作した基本形を読み込み、Sclptris上でデティールを進めた例。自宅のマシンがやや非力なこともあり、このあたりで動作の重さがちょっと気になっている。ZBrushとは異なりOpenGLを用いるため、グラフィックスカードの性能に依存するようだ。画面左下すみにポリゴン数が表示されている。544790triangles
posted by hrys at 15:57| Sculptrisチュートリアル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月01日

Sculptrisによる頭部モデリング例

Sculptrisで基本中の基本だと思われる頭部モデリングを練習してみた。個人的には、ZBrushでたくさんモデリングしているので、その応用ではあるが、具体的なツール名やどのような使い方をしたかについても述べたいと思う。

HeadMOdelingBySculptris.jpg
Step01:まずは、GRABで、基本形を整える。具体的には、幅を狭める。顔面をやや平板にする。後頭部を引っ張りあげる。などをして球体を変形する。それから、Sculptrisの特徴であるダイナミックテッセレーション(正式名称、以前のDSSは訂正する)を応用するために、ナビゲーショナルコントロールをスペースバーをヒットして開き、Detailを上げて首を引っ張り出した。そのままでは、先細りなので、INFLATESCALEで広げ、首の付け根を成型する。凸凹してきたら、SMOOTHでなじませる。学生諸君を見ていると、こういった部分をいい加減にしてまま制作を進めようとする傾向があるが、絶対におろそかにしないほうが良い。作る限り、形の重要度に差はないと考えよう。

HeadMOdelingBySculptris_02.jpg
Step02:およその位置を探りながら、INFLATEであたりをつけている。ZBrushであれば、Standerdブラシでやっているようなことだが、Sculptrisでは、INFLATEがうまくいくように思う。が、あくまで個人的な感触なので、参考までに。ただ、かけすぎるとポリゴンがぐちゃぐちゃになるので、Strengesの設定や、筆圧には注意が必要だ。

HeadMOdelingBySculptris_03.jpg
Step03:更に進める。CREASEを用いて、エッジを起こす。目の部分などがそうだ。引き続きINFLATEDRAWで、起伏を探っている。鼻の部分が進んでいるのがわかると思う。

HeadMOdelingBySculptris_04.jpg
Step04:絵画でも彫刻でも同じだが、形にはデティール=細部とフォルム=全体像がある。制作する手順としては、これを交互に意識せざるを得ない。すなわち、デティールに意識が集中しているときは、フォルムはおろそかになり、逆もまた同じである。まずは、その意識をしっかりと持つことだ。つまり、デティールを作りこんでいてフォルムが崩れても「そういったものだ」と了解し、慌てたりしない。フォルムを意識した場合には、せっかく作った細部が崩れることもあるだろうが「また作れば良いさ」とあきらめ、全体像を優先する。自分のやっていることを明確に意識付けすることは、心を乱さずに制作するために重要な心構えだと思う。一方、CG特有の事情も忘れてはいけない。例えば、彫刻では、その物理的特性から、一度決定してしまったフォルムを崩すのは難しい。材料によっては不可能だろう。CGにおいては自由自在とまではいえないが、自由度は高い。このことを踏まえて制作プロセスを検討してほしい。で、ここでは一応美人を作ろうと思っているのだが、骨格を把握しようとする意識と、デティールを明瞭にしようとする意識などで、やや年季の入った無骨なおば様になっている。が、こうなってしまうことを恐れるべきではない。むしろ、こういったプロセスを踏むほうがよいのではないかと思う。美人を作ろうと意識しすぎると表面を大事にするあまり、形を探る上で踏み込みが甘くなってしまうからだ。

HeadMOdelingBySculptris_05.jpg
Step05:というわけでSMOOTHSCALEを用い、フォルムを修正し、表面を滑らかにする。すると若がえる。気は使うが、難しくはない。

HeadMOdelingBySculptris_06.jpg
Step06:が、性分として退屈な感じがしてしまうし、Sculptrisの柔軟性を試そうということで、変形を加えて行くことにする。眉などは、CREASEで描いている。個人的によく行う手法だが、このように稜線をまず描き、この基準に対して周辺の形態を調整する。消してしまうことは簡単なので、方向を示す意味で一時的に形がギクシャクしても描くべきだろう。鼻などは、すでにかなり個性的になっている。が、顎などそれなりに悪意を持って引っ張っているにも限らず、まだまだ個性の範囲で、美人といって差し支えないレベルだろう。耳の先端はGRABで引っ張り出しているが、ダイナミックテッセレーションのおかげで、ポリゴンの解像度が不足して作り込めないという事態にはならない。

HeadMOdelingBySculptris_07.jpg
Step07:というわけで、骨格を強調し、無骨に。そのせいもあり、頭が退屈な気がしてくる。

HeadMOdelingBySculptris_08.jpg
Step08:Deatilパラメーターを調整したうえで、GRABを用いてニョキニョキと引っ張り出す。Sculptris特有のオペレーションである。

HeadMOdelingBySculptris_09.jpg
Step09:CREASEで稜線を描き、面をどのように構成すべきかを検討する。部分的にFLATTENを用いて、面を整理しているところもある。また、ある程度作りこんでくると、不必要な細分化が多くなるためSculptrisの動作が鈍くなってくるので、ステップごとにREDUCE BRUSH(ショーカットYキー)を用いてポリゴンを間引こう。試してみれば理解できると思うが、かなり間引いても形状は保つので、気持ちとしては思いっきり間引くつもりで良いだろう。

HeadMOdelingBySculptris_10.jpg
Step10:角の波打った面などを、DRAWFLATTENを用いて整理する。本気で制作しているのであれば、ここから角の細部を詰めるべきだが、ほかに進めたいことがあるので、とりあえず、ここで留めることにする。同じ名称のツールではあっても効き具合のせいか、ZBrushより、ややカッチリと仕上がる印象である。この制作で使用したマテリアルはBazC_SkinMatというものだが、個人的には気に入っている。もしかしたら、マテリアルによって、制作内容に影響があるかもしれない。ついつい、デフォルトのマテリアルで制作をしてしまいがちだが、皆さんにも、ぜひ試していただきたい。
posted by hrys at 11:09| Sculptrisチュートリアル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。